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宮﨑 恵海さん
人文社会学専攻
地域環境学コース
2022年修了国際航業株式会社 公共コンサルタント事業部 西日本国土環境保全部 河川海洋G
宮﨑 恵海さん
人文社会学専攻
地域環境学コース
2022年修了国際航業株式会社 公共コンサルタント事業部 西日本国土環境保全部 河川海洋G
大学院では、和歌山県沿岸地域を対象に、地方自治体職員へのアンケート・インタビュー調査を通じて、「東日本大震災以降の津波対策の変化」について研究をしていました。修士論文の研究のほかに、教職課程を履修するなど、自分の興味関心がある分野の勉強を深めることができた2年間でした。大学院卒業後は、大学で学んだ地図読解やGISの経験を活かし、災害分野で活躍できる建設コンサルタント業界に就職しました。現在は、河川氾濫の解析や河川の洪水浸水想定区域図を作成する仕事をしています。自分の興味関心のある分野について腰を据えて学ぶことができる大学院での2年間の経験は、この先の進路選択において必ず大きな糧になります。大学院進学を検討に入れてる方は、是非教職員やOGご相談ください。
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野中 瑞紀さん
人文社会学専攻
文化メディア学コース
2020年度修了奈良市立一条高等学校教諭(地理歴史・公民科)
野中 瑞紀さん
人文社会学専攻
文化メディア学コース
2020年度修了奈良市立一条高等学校教諭(地理歴史・公民科)
私は人文社会学専攻における在学時、社会学を専門的に学びつつ、日本のピアノ文化をテーマとする研究に取り組みました。研究を通じて、身近な物事や私たちの目の前にある当たり前について、批判的に捉え、それらに疑いを持つという姿勢が身についたように思います。大学院では院生同士でテーマについて議論をする機会や、複数の先生方からアドバイスをいただく機会も多いので、自分の研究テーマとは異なる分野にも関心が広がり、それにまつわる知識を得ることができました。
私は現在、奈良市立一条高等学校で地歴・公民科の教員をしています。日々の授業の中で、大学院で培った知識や経験が活きているように思います。教科の授業のみならず総合的な探究の時間においても生徒の生み出した問いに社会学的なアプローチの仕方を紹介し、批判的思考をもって生徒と共に問いに向かっていくことに楽しさを見出しています。
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和田 積希さん
旧・国際社会文化学専攻
2004年度修了京都工芸繊維大学美術工芸資料館 特任専門職(学芸員)
和田 積希さん
旧・国際社会文化学専攻
2004年度修了京都工芸繊維大学美術工芸資料館 特任専門職(学芸員)
在学中は、18世紀オーストリアの政治や周辺諸国との関係性について研究をしました。想像力を膨らませながら、史料をこつこつと読み進めていく、楽しくも地道な講読や情報整理などの経験が、研究者としての基礎を形作ってくれました。
現在は、近代京都の美術工芸について研究をしながら、大学附属博物館の学芸員として作品調査や展覧会企画に関わっています。数年前に現在の所属大学で博士号も取得しました。学生や一般の方々に、作品の魅力やその背景にある歴史の奥深さを、モノをベースに語っていく仕事は、歴史研究とはまた違った面白さがあります。また、近代化にあたり西洋と深く関わりをもつ京都を考えるうえで、在学中の研究は大きな意味をもっています。
大学院は、知識を蓄え、研究者見習いとして様々な経験ができる貴重な時間です。ぜひ、主体性をもって、同級生と切磋琢磨し、優しくも厳しい先生方に食らいついて何でもチャレンジをして、充実した大学院生活を送ってください。
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菊池 楓佳さん
言語文化学専攻
日本アジア言語文化学コース
2022年度修了奈良女子大学大学院博士後期課程 人文科学専攻
菊池 楓佳さん
言語文化学専攻
日本アジア言語文化学コース
2022年度修了奈良女子大学大学院博士後期課程 人文科学専攻
わたしは現代中国語、特に「犬!」・「水!」等、中国語の名詞一語文について研究をしています。修士論文でもこのテーマについて扱いましたが、先行研究の読み込み不足や用例の解釈不足など、不完全なところが多々ありました。そのため博士課程では、反省点を踏まえながら論文作成に取り組んでいます。
修士課程では、同級生同士仲がよかったため、研究室はいつも賑やかでした。自分たちの研究の話で盛り上がることも多く、他分野の知識を深めるきっかけになりました。また、授業は学部生の時に比べ、受講する生徒が少なくなるため、先生方とより密にお話しすることができるようになります。
文系の大学院進学は、理系ほどメジャーでないため不安に思うことも多いと思います。しかし、修士課程で学ぶ内容は、学部生の時とは比べ物にならないほど深く、面白いです。鹿が時折来ては、(おそらく)応援してくれる大学で、自分の専門をさらに極めてみませんか。
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羽生 晴菜さん
言語文化学専攻
日本アジア言語文化学コース
2022年度修了株式会社ウィルウェイ 馬渕教育グループ高校受験事業部
羽生 晴菜さん
言語文化学専攻
日本アジア言語文化学コース
2022年度修了株式会社ウィルウェイ 馬渕教育グループ高校受験事業部
在学時に得たものは諦めない心と別の手段を考える余裕です。日本文学という狭く広く深い分野を、専門の先生方や友とともに学べた2年間は本当に貴重なものでした。卒論と修論はどちらも『松嶋日記』という作品を扱い、ひとつの作品をきちんと読むことの難しさと面白さを体感しました。教育にも関心があったため、在学中に専修免許を取得しました。学校の先生そのものではありませんが、今の進路に繋がっていると思います。得た知識をそのまま使うことはあまりありませんが、自分ができることはどんどんやってみようという意識は、大学院での学びで研がれたものだと思います。在学生の皆さんへ、まだ知りたいことがあれば是非、大学院へ進んでみませんか。書かれたことばから見える作者の意図、作品が成立したであろう時代の背景を拾っていきながら、最後にその作品は結局どういうものなのか定めることの面白さを学べます。奈良女子大学に来た皆さんが心のままに研究に打ち込めることを切に願っています。
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荒木 琴乃さん
言語文化学専攻
ヨーロッパ・アメリカ言語文化学コース
2022年度修了私立中高一貫校教員(英語)
荒木 琴乃さん
言語文化学専攻
ヨーロッパ・アメリカ言語文化学コース
2022年度修了私立中高一貫校教員(英語)
私が進学した理由、それは学問をより深く追求するために他なりません。コロナ下の厳しい環境ではありましたが、信頼のおける先生方から手厚いサポートを受け、大学院に進学して初めて、心行くまで研究に没頭することができました。大学院では、英語の指示詞thisの用法のうち、歴史的に新しく、インフォーマルな話し言葉で用いられるある1つの用法に着目しました。「不定のthis」と呼ばれるこの用法は、thisのその他の用法や冠詞、また、言語を超えて日本語との比較的観点から見ても非常に興味深い言語表現です。学問としての言語学は、外国語としての言語学習とは性格を異にしますが、研究や精読を通して磨かれた言語的感性は言語教育にも活かされると思います。また、こうして自分の研究に専念した結果、専修免許状を取得できたことも大きな収穫の1つです。大学院での学びをその後のキャリアにどう活かすかということを念頭に置きつつ、探求心と向上心を持って学問に真摯に向き合うことが大切ではないでしょうか。
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梅田 由佳さん
人間科学専攻
教育学・人間学コース
2022年度修了奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科人文科学専攻社会人間学講座博士後期課程1年
梅田 由佳さん
人間科学専攻
教育学・人間学コース
2022年度修了奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科人文科学専攻社会人間学講座博士後期課程1年
私は、金城学院大学文学部音楽芸術学科を卒業後、奈良女子大学の博士前期課程人間科学専攻に進学しました。
博士前期課程では、小学校で音楽科の教員として教壇に立った経験や、地域の児童合唱団や音楽教室で指導者として活動している経験を基に、地方小都市において音楽生涯学習を学ぶことの意義について、子ども、保護者、指導者、行政の関わりを通して考察しました。
2023年の春からは博士後期課程人文科学専攻に進学し、地方中小都市における、子どもの音楽生涯学習の実態に関する研究を、地域の生涯学習振興と地域活性化の観点から、複数の音楽サークルの実態調査および、行政・企業との連携に着目して行う予定です。
奈良女子大学の魅力は、古都、奈良の地で自身の研究に専念できることと、学生数が限られているため、指導教官から手厚い指導が受けられることだと感じます。これからも、恵まれた環境に感謝しながら、研究に邁進していきたいです。
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陳 艶婷さん
(旧)人間行動科学専攻
教育学・人間学コース
2017年度修了株式会社アントステラ
陳 艶婷さん
(旧)人間行動科学専攻
教育学・人間学コース
2017年度修了株式会社アントステラ
大学院では研究テーマに直接かかわる分野だけでなく、哲学や芸術、身体文化など、人間の存在と形成に関わる幅広い知識を得ることができました。
修士論文では日本と中国の統一大学入試について研究しました。両国の大学入試制度はいずれも様々な問題を抱えながら歩んできました。それぞれの変遷を調べ、試験の目的や内容、実施の方法や時期など、多方面から分析しました。そうするなかで、両国の文化や考え方の違い、そして家庭環境が受験生に与える影響の大きさをあらためて認識しました。この研究を通じて、自分で情報収集をして、批判的に検討し、新しい知見にまとめる力を身につけることができました。
現在の職場でも大学院での学びを活かし、広い視野からお客様のニーズを分析して、よりよい商品やサービスを提供することに役立てられていると思います。
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江草 友貴さん
人間科学専攻
心理学コース
2022年度修了医療法人宗紀会つくだクリニック
江草 友貴さん
人間科学専攻
心理学コース
2022年度修了医療法人宗紀会つくだクリニック
私は、幼児期・児童期における他者の嬉し泣きの理解について、実験を行いつつ研究を進めました。 分からないところが出てきた際は、同期に質問したり、先生にも気軽に相談しに行くことができました。先生方は「分からない」にとことん向き合ってくださり、安心して研究に励むことができました。
また在学中は、子どもの発達について理論と実践の両軸から考え、学ぶことができました。相談室でお子さんへの支援を行う中で、関わり方を学ぶだけでなく、どのような視点で発達を捉えればよいのか、院生との議論に加え先生方からの助言を通して、しっかりと培うことができたと感じています。また、先生の細やかな指導の下で実際に子どもに発達検査を取らせていただいたり、先生が検査をする場面を見学させていただいたりなど、貴重な経験も多くさせていただきました。
現在、私は小児精神科・心療内科の公認心理師として勤務していますが、これからも続いていく学びの中で、在学中の経験は大きな支えになっていくと思います。
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呉屋 夏帆さん
人間科学専攻
心理学コース
2022年度修了奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科人文科学専攻社会人間学講座博士後期課程1年
呉屋 夏帆さん
人間科学専攻
心理学コース
2022年度修了奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科人文科学専攻社会人間学講座博士後期課程1年
私は、本学の文学部心理学コースから大学院博士前期課程を経て博士後期課程に進学し ました。私の研究テーマは科学的信念と非科学的信念についての発達研究です。対象は小学生から大人までと幅広く研究しています。発達研究では特にお子様の研究協力者を見つけることに苦労するのですが、本学では附属学校園のお子様や先生方のご協力を賜り、調査や実験をさせていただいています。このような充実した環境のおかげで研究生活を有意義に過ごすことができています。本学の博士前期課程は在学生の数が少ないですが、私にとって は過度なプレッシャーがなく安心して自分のペースで研究が進められる居心地の良い環境です。また、人数が少ない分、教員からの指導も手厚いため、より質の高い研究を遂行できます。充実した環境や頼れる教授陣に囲まれて、学部の研究を超えたより高度な学問に挑戦してみませんか。
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軽部 利恵さん
比較文化学専攻
日本アジア文化情報学講座
2021年度修了実践女子大学文学部国文学科 助教
軽部 利恵さん
比較文化学専攻
日本アジア文化情報学講座
2021年度修了実践女子大学文学部国文学科 助教
私は書かれたもの・ことば全般に興味があり、国語学(日本語学)の中でも、万葉集や木簡といった奈良時代の文献の、文字・表記を研究しています。大学院の演習では、主に、研究に必要な資料の読み方、ことばの意味を分析し記述する方法を学びました。また、奈良国立博物館では経典の識語を読む中で巻物や掛軸の扱いを学び、奈良文化財研究所では出土したばかりの木簡を釈読するという、得難い経験を積みました。論文執筆の際には、指導教員の尾山先生をはじめ、愛のある御指導をいただき、投稿した論文は学会賞を受賞しています。大学院での勉学は、純粋に楽しく、奈良女は「研究したい」というピュアな気持ちを応援してくれるところです。修了後は、半年間、日アの教務補佐員を勤め、現在は、実践女子大学の文学部国文学科で、専任助教として働いています。歴代の助教はもれなく“すごい人”たちです。私も先輩助教たちと肩を並べられるよう、日々研究を続けていきます。
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長田 明日華さん
比較文化学専攻 文化史論講座
2021年度修了奈良女子大学文学部 特任助教
長田 明日華さん
比較文化学専攻 文化史論講座
2021年度修了奈良女子大学文学部 特任助教
私は、平安時代の文化や思想を研究しています。この時代には、新たに仮名を用いた文学作品が誕生しました。なぜ漢字に限らず仮名を用いて、それまでにない内容を表現したのかという問題は、現在の漢字・仮名の併用とも密接に関わっているのではないでしょうか。そのような当時の社会の様相を研究したく、大学院に進学しました。もっとも、すぐに答えを出すことは難しく、研究の方法を含めて模索する日々でした。しかし、粘り強く史料を読み込むことを通して、当時の人びとの思考や営為の歴史的な意味合いが少しでも見えてくると、言い表せない感動があります。また大学院では、ゼミや研究会で他者と議論をする機会が多いです。史料とじっくり向き合うこと、そして、それぞれ多様な問題関心を持つ方々と議論を重ねることを通して、自分なりに人間社会を捉える視点を深めていくことが、大学院で得られたことだと考えています。
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諏澤 宏恵さん
旧・人間行動科学講座
2012年度修了京都府立医科大学医学部看護学科・大学院保健看護学研究科・地域看護学 准教授
諏澤 宏恵さん
旧・人間行動科学講座
2012年度修了京都府立医科大学医学部看護学科・大学院保健看護学研究科・地域看護学 准教授
少子高齢化により家庭内育児支援者として期待される祖父母と孫の関係発達をテーマに質的研究を極めたいと、キャンパスの雰囲気、少人数ゼミに惹かれ奈良女子大学大学院に進学しました。ときに、ゼミ室で鍋を囲み、社会人や留学生のゼミ生から育児文化や舅姑の孫育児談話を聞きながら研究のヒントを得ていました。現在は、学童の学習支援に従事する高齢者の健康と、学童のライフスキル獲得への効果について研究中です。研究のとりかかりには、奈良女の校舎がイメージされ安心基地のようになっています。思考を巡らすには最高の環境を備え、懐の深い大学だと思います。
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阪本 美江さん
旧・人間行動科学講座
2013年度修了芦屋大学臨床教育学部/芦屋大学大学院教育学研究科
阪本 美江さん
旧・人間行動科学講座
2013年度修了芦屋大学臨床教育学部/芦屋大学大学院教育学研究科
私の研究テーマは、教育史、教育思想史、特別ニーズ教育研究です。奈良女子大学大学院入学以降は、とくに戦前の「特別学級」に興味を持ち、研究を重ねてきました。奈良県には、奈良女附小、桜井小学校等に「特別学級」が設置されていたことを発見し、その内容を博論と著書にまとめました。
私の研究の核となったのは、大学及び附小所蔵の歴史資料です。明治期からつづく奈良女には、豊富な歴史資料が保存されています。同資料は、全国の研究者からも注目される大変貴重なものです。在学中は、それら資料を存分に活用させていただくことができました。
大学院修了後は、「教育史概論」や「教育史演習」等の非常勤講師を務めさせていただき、「奈良と教育」等のゲストスピーカーも毎年担当させていただいていただく等、継続してお声をかけていただけるのも、本講座の魅力であると思っています。
以上のような実績があったからこそ、修了後3年で大阪芸術大学短期大学部の特任教授(専任)に、その後現在の芦屋大学教授(専任)に就任することができました。奈良女はまさに、学生の可能性を引き出してくれる、大変魅力溢れる大学であると私は思っています。
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水谷 亜由美さん
旧・人間行動科学講座
2017年度修了岐阜聖徳学園大学教育学部
水谷 亜由美さん
旧・人間行動科学講座
2017年度修了岐阜聖徳学園大学教育学部
私は、幼稚園教諭として保育現場を経験した後、博士後期課程に入学しました。在学中は、私が子どもと関わる中で援助の難しさを感じていた「園での食事場面」に着目し、エスノグラフィー研究を行いました。研究で学び得たことは、「自分の中の『当たり前』にとらわれないこと」です。なぜなら、研究の視点で改めて園生活を見つめると、今まで気づいていなかった子どもの葛藤する姿や自ら考えて動く育ちが見えてきたからです。さらに、多様なご経験と専門性をお持ちの大学の先生方からのきめ細やかなご指導により、保育現場では一般的だと思われていることにも問いを見いだし、多角的に子どもの行動の意味と援助の在り方を見つめ直す機会を得ました。私にとって大学院での経験は、子どもが育つことの意味を深く考える契機になりました。
修了後は大学教員となり、学生達や保育現場の先生方と共に保育に関する様々な問いに向き合い、保育の奥深さを共有しています。