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博士前期課程
「人文科学系3専攻」

人間科学専攻

本専攻は人間を理解し、人間の諸行動を探究するために、人間に関わる歴史、文化、社会を、理論と実践の双方から多様な方法を用いて研究し、専門的力量を養います。

本専攻では、教育学・人間学コースと心理学コースの2コースで構成されており、それぞれのコース・分野で文献、フィールド観察、実験、アンケート・インタビュー調査など、研究アプローチの仕方が異なります。

本専攻において、幼稚園・小学校教員の専修免許を取得することができます。また、心理学コースでは公認心理師養成課程を備えています。課程修了後は、博士後期課程の人文科学専攻・社会人間学講座に進学して、博士の学位を取得し研究者になる道も開かれています。

3つのポリシー

カリキュラムの特色

本専攻では、「人間」を取り巻く思想、歴史、教育、芸術、身体、心理、人間行動の諸分野について、文献資料の分析、フィールドワーク、調査・実験等を通して、主体的行動力、課題発見力、分析力を着実に身につけるカリキュラムとなっています。さらに学際的な視野から、ものごとを深く鋭く洞察する能力や、実社会で必要とされる企画力・調整力、他者と協働する力を培うための大学院教養科目を必修としています。6年一貫教育プログラムでは、学部から博士前期課程までの長期的かつ継続的な研究を行い、「人間」に関する科学的で実証的な修士論文の作成を目指すとともに、留学やインターンシップ、資料調査などの学外での学修を自ら柔軟に設計しながら、高度な研究能力を育成することを推進しています。

取得できる資格

  • 幼稚園教諭専修免許状
  • 小学校教諭専修免許状
  • 高等学校教諭専修免許状「公民」
  • 公認心理師(※受験資格対応)

進路

令和1年~令和4年度
※改組のため令和1年度以前の修了生なし

【進学】
奈良女子大学大学院、エディンバラ大学

【教員】
三重県、南越前町、奈良県立医科大学

【公務員】
尼崎市、愛知県、山口県、奈良県、大津市

【企業・団体】
日東電工(株)、ウィツ(株)、(有)ズーティー、(株)マルク、(株)ウィルウェイ、福武(株)、浜松医科大学医学部附属病院、医療法人宗紀会つくだクリニック、(一社)公心会 あいち保健管理センター、(福)宝山寺福祉事業団、(福)地域ゆめの会、SOMPOケア(株)、(株)LITALICO、(株)date

【その他】
京都大学、日本年金機構

修了生の声

修了生たちはは様々な分野で、多様な仕事をしています。
どんな仕事をしているのか、奈良女子大学大学院での経験がどのように活かされているか、教えてもらいました。

教育学・人間学
コース

コース概要

教育学・人間学コースでは、人間形成と人間存在に関わる幅広い事象(教育の思想と実践、哲学・倫理学上の思想的諸問題、身体表現・身体文化、芸術、メディア等)を研究の対象としています。

教育史、教育社会学、比較教育学、音楽教育学、哲学・倫理学、身体文化学など、多彩な研究方法により、現代社会における様々な人間の営みについて生き生きとした関心を持ち、 文献研究やフィールド研究等を通して、その問題点を原理的に探究しながら、高度な専門的能力を身につける学生を育てます。


3つの柱

主な研究分野

教育学・哲学・倫理学・音楽教育学・身体文化学

担当教員

修士論文題目

  • 地方における学校教育外の合唱団の存在意義と課題ー愛知県弥富市のA合唱団に関わる子ども・保護者・指導者・行政へのアンケート・インタビューを通してー
  • モンテッソーリ教育とシュタイナー教育に基づく幼稚園の物的環境と子どもの関わりー保育観察を通してー
  • 縄文・弥生・古墳時代の琴に関する研究ー楽器復元過程における琴の形状と弦の素材に着目してー
  • 伝統的価値観に基づき道徳性を養う現代ベトナムの幼児教育ー開明徳人格教育学校システムにおける活動と保護者へのインタビュー調査からー
  • 領域「表現」における感性の育成ー奈良女子大学附属幼稚園における造形活動と教師の指導の観察からー
  • 病院におけるアートのより良いあり方への試論 ーホスピタルアートの現状と展望ー
  • 日中の総合的な教育実践における教員の意識に関する調査
  • 私という存在の生成ー山崎正和の演技論・リズム論からの考察ー
心理学コース

コース概要

心理学コースでは、人間の心理と行動そして人間関係の諸側面を科学的に研究し、その専門性を活かした高度職業人または研究者になることを目指します。そのために、認知心理学、発達心理学、社会心理学、教育心理学の各分野の研究において、応用と臨床実践を志向する高度な方法と見地を習得し、理論と実践の両方を視野に入れて人間を探究します。

実験や調査による量的研究と、フィールド観察や面接による質的研究のどちらの方法においても、専門性を高めていきます。公認心理師資格(国家資格)の養成課程を備えています。心理学の研究、応用、臨床実践は、知識や技能の習得以前に、倫理を身に着けることが大切です。一人一人の人間の尊厳を尊重し、一人一人の幸福と社会福祉に貢献するために、科学的な研究と証拠に基づく臨床実践が求められます。そうした研究と臨床実践を志す、意欲ある学生を求めます。


3つの柱

主な研究分野

認知心理学・社会心理学・教育心理学・発達心理学・臨床心理学・臨床発達心理学

担当教員

修士論文題目

  • 教育に対する親の態度が自己肯定感・学校適応に及ぼす影響
  • 幼児教育における3歳児から4歳児の遊びへの保育者の援助 ―個別的な遊びの意味づけからごっこ遊びの協同化に向けての対話的援助―
  • 精神的健康への認知的感情制御方略の寄与 ―領域と原因帰属による違い―
  • 商業施設でみられる女性高齢者の友人関係 ―ベンチで維持される”約束をしない交流”に注目して―
  • 自閉スペクトラム症の疑いのある幼児の反復的行動の変容過程 ―療育場面での保育者のはたらきかけに着目して―
  • 新型コロナ禍における大学生の適応感に関する研究 ―授業形態と孤独感に着目して―
  • 向社会的活動への参加意向に影響を及ぼす環境的要因の検討 -PTA活動における組織風土と対人ストレスイベントに着目して-
  • 自閉スペクトラム症傾向を有する幼児における情動調整の発達と他機能との関連-他児とのいざこざ場面に焦点を当てて-
  • 仮面的な自己呈示と適応感の関連の検討
  • 所属の程度と不確実性の認知が集団への適応に及ぼす影響の検討
  • 偶発的事象に対する原因説明の発達的検討 -児童・生徒・大学生にみられる「説明の共存」に焦点をあてて
  • アニマシー記憶に文化と飼育経験は影響するか -日本語単語リストを用いた記憶課題における検討-