羽生 晴菜
在学時に得たものは諦めない心と別の手段を考える余裕です。日本文学という狭く広く深い分野を、専門の先生方や友とともに学べた2年間は本当に貴重なものでした。卒論と修論はどちらも『松嶋日記』という作品を扱い、ひとつの作品をきちんと読むことの難しさと面白さを体感しました。教育にも関心があったため、在学中に専修免許を取得しました。学校の先生そのものではありませんが、今の進路に繋がっていると思います。得た知識をそのまま使うことはあまりありませんが、自分ができることはどんどんやってみようという意識は、大学院での学びで研がれたものだと思います。在学生の皆さんへ、まだ知りたいことがあれば是非、大学院へ進んでみませんか。書かれたことばから見える作者の意図、作品が成立したであろう時代の背景を拾っていきながら、最後にその作品は結局どういうものなのか定めることの面白さを学べます。奈良女子大学に来た皆さんが心のままに研究に打ち込めることを切に願っています。