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大学院のお知らせ

荒木 琴乃

 私が進学した理由、それは学問をより深く追求するために他なりません。コロナ下の厳しい環境ではありましたが、信頼のおける先生方から手厚いサポートを受け、大学院に進学して初めて、心行くまで研究に没頭することができました。大学院では、英語の指示詞thisの用法のうち、歴史的に新しく、インフォーマルな話し言葉で用いられるある1つの用法に着目しました。「不定のthis」と呼ばれるこの用法は、thisのその他の用法や冠詞、また、言語を超えて日本語との比較的観点から見ても非常に興味深い言語表現です。学問としての言語学は、外国語としての言語学習とは性格を異にしますが、研究や精読を通して磨かれた言語的感性は言語教育にも活かされると思います。また、こうして自分の研究に専念した結果、専修免許状を取得できたことも大きな収穫の1つです。大学院での学びをその後のキャリアにどう活かすかということを念頭に置きつつ、探求心と向上心を持って学問に真摯に向き合うことが大切ではないでしょうか。