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大学院のお知らせ

長田 明日華

 私は、平安時代の文化や思想を研究しています。この時代には、新たに仮名を用いた文学作品が誕生しました。なぜ漢字に限らず仮名を用いて、それまでにない内容を表現したのかという問題は、現在の漢字・仮名の併用とも密接に関わっているのではないでしょうか。そのような当時の社会の様相を研究したく、大学院に進学しました。もっとも、すぐに答えを出すことは難しく、研究の方法を含めて模索する日々でした。しかし、粘り強く史料を読み込むことを通して、当時の人びとの思考や営為の歴史的な意味合いが少しでも見えてくると、言い表せない感動があります。また大学院では、ゼミや研究会で他者と議論をする機会が多いです。史料とじっくり向き合うこと、そして、それぞれ多様な問題関心を持つ方々と議論を重ねることを通して、自分なりに人間社会を捉える視点を深めていくことが、大学院で得られたことだと考えています。